我が進むは修羅の道。
戦い、戦い生き延びる。
殺し、殺し生き延びる。
生き抜くこと即ち戦う事。
右手に銃を左手にはナイフを。
武器に接吻を。
己を生かす為に。
魔を打つ、破邪と為らん。






銃身に接吻







「全くどれだけ沸いて出てくれば気が済む」

鬱陶しげに呟きながらも銃を打ち続ける。
その姿は戦乙女。
美しくも華麗に戦うその姿は神。
誰もがそう思ったであろう。

「ダンテ。いい加減に飽きてきたぞ」

激しい爆音を鳴らしている前方にそう呼びかける。
するとそこから白銀の髪を持つ男が出てきた。

「仕方ないだろう。沸いて出てくるものは」
「下級悪魔ばかりつまらない」
「それは同感だな。それじゃあ、こうしたらどうだ?
「?」

意気揚々と少し意地の悪い笑みを浮かべてダンテが言った。

「賭けをしようぜ?やる事は簡単だ。
合図と同時にどれだけの数の悪魔を倒すか。多く倒して勝った者が負けた者に一つ命令できる」
「・・・・それいい」
「じゃあ、行くぜ?・・・・スタート!」

それを合図に先ほどとは打って変わってのスピードを出して悪魔を倒し始めた。
銃身に接吻を落とすとは何かを呟いた。

「我が魔力宿り全てを打ち壊せ。滅するは魔。征するは我。
全ては我が手に。ミスティコンキスタンドール!!」

その声とともに打ち抜かれた弾丸は姿を一瞬で変えた。
白い炎でできた龍が悪魔に次々と食らいつく。

「・・・・今のでざっと20・・・。」

呟くとまだまだ現れる悪魔を妖艶な笑みを浮かべた。

「全く鬱陶しい・・・」

そう呟くと再び銃身に接吻を落とした。
そして、先ほどと同じことを呟き倒していく。
それがかれこれ一時間続いた。
ようやく悪魔の姿がなくなり、ダンテとは合流した。

ダンテは楽しげに笑みを浮かべた。

「何体殺った?」
「800と23」
「俺の勝ちだな。900ちょうどだ」

その言葉には少し不機嫌そうに目を細めた。

「負けた。ダンテに。で・・・?」
「罰ゲームだよなぁ・・・そうだな。今夜一晩俺の相手でいいぜ?」
「・・・・最低」
「お前なぁ・・・仮に恋人にいうセリフか?」
「言う。わかった。いいよ。もう・・・
ただし、仕事に影響出るようなことになったらバージルのとこ行くから」

微妙な脅しにダンテは嫌そうな顔をした。

「それは困る。まあ、加減はするさ」
「どうだか・・・」

そう言ってが目を閉じるとすかさずダンテはキスをした。

「んっ・・・!」
「隙ありだぜ?」
「性悪」

そういうとはダンテに銃を向けた。

「そりゃあ否定できないな。だけどそれを恋人に持っているのはだぜ?」

だが、ダンテは怯むことなくその銃に接吻した。

「・・・・」

は複雑そうな顔をした。

「あ、間接キスだな」
「・・・・今度から反対側に接吻するようにしよう」
「そこまで嫌がることないだろうが。」

ダンテは少しショックを受けながらそう言った。
その瞬間、が銃身に接吻を落とした。
そして、ダンテに向かって銃を向ける。
ゆっくりと確実にトリガーを引いた。
しかし、弾丸が向かったのはダンテの遥か後方だった。

「ギャアッ!!!」
「ダンテ。一匹残ってた」
「悪いな。さすが俺の
「・・・ここにも一匹。」
「ちょっとしたジョークだろ!?」

流石にこれには焦ったのダンテ。
だが、はふわりと動きダンテに口付けた。

「これはやられたな。」
「当然。」

そう勝ち誇った笑みを浮かべると二人は再び口付けを交わした。
戦い抜き、生き抜くのは貴方の為。
さあ、今日も銃身に接吻を落とそう。
魔を焼き払う者と為りて・・・