貴方への想いが強すぎて私の心は決壊寸前。
ねぇ?責任とってくれますか?
決壊寸前心情恋情
「獄寺隼人」
唐突に響いた彼の名。
呼んだのは紛れもなく私自身なのだけれど。
何故だかそれだけで貴方が愛おしくなってしまうのは末期症状だと思う。
「いきなり何言ってんだよ?」
少し困惑を示す彼。
まあ、確かに唐突にフルネームをいきなり言われても何が何だかわからないよね。
私たちしかいない空間で私たちは互いに見詰め合っている。
「んー・・・呼んでみたかっただけ?」
「何で疑問系なんだ・・・お前は本当にわかんねぇ奴だな」
そう言って彼はくしゃくしゃと私の頭を撫でた。
少し笑った顔が目に入ると私まで微笑みたくなる。
「ねぇ?隼人」
「なんだよ?」
「なんかねぇー・・・私、隼人の全部が好き」
「ごほっ!?」
コーヒーを片手に話を聞いていた隼人は先程飲んだコーヒーを見事に噴出した。
物凄く気管を押さえて咽ている。
そして、少し落ち着いた頃になって涙目ながらこちらを睨んだ。
「おま、えなっ!」
「だって本当の事だもの。っていうか顔真っ赤にして怒っても怖くないよー
むしろ可愛すぎて襲いたくなるから止めたほうがいいと思うよ?私はいいけどね」
「なっ!?お前、なな何言ってんだぁ!?」
「いや、あんたこそ何が言いたいのさ」
相当慌てているのか顔は真っ赤、口調はどもってるし。
本当に可愛い。
本当に好きで好きでしょうがなくなる。
「ねぇ?隼人。私ね。貴方が好きすぎて・・・」
そこまで言うと私は彼の耳元に顔を寄せた。
そして、こう囁くのだった。
「好き過ぎて壊れちゃうかも」
すると、今度は先程より真っ赤になった彼の顔が視界に入った。
「お前なぁ・・・っ!くそっ・・・!」
悔しげにそう吐き捨てた彼は真っ赤になる顔を隠すように私の顔を自らの胸に押し付けた。
そんなことしたら心臓の音がバクバク言ってるの丸聞こえなのにね。
本当に可愛い人。
「少し苦しいんだけどー」
「そのままでいろ!ったく・・」
落ち着かせるためか溜息を吐いた彼はゆっくりとした口調で私にこう囁くのだった。
「お前といると俺だって好き過ぎていつか心臓が壊れそうだ。
だから、責任とってずっと俺と一緒にいやがれ。わかったな!!」
「・・・・隼人・・・」
まさか彼がこんなクサイ台詞を吐くとは思わなかった。
でも、こんなに嬉しい事もないなと私はふふっと笑いを零した。
「なら隼人も絶対に離れないでよね」
「誰が離れるかよ」
きっと彼の顔はりんご飴のように真っ赤なのだろうな。
そんなことをぼんやりと頭の隅で考えた。
でも、今はこの決壊寸前の貴方への想いの波を感じながら
貴方の体温を感じていたいと想うのです。
愛してるんです。
愛してるんです。
そんな想いでいっぱいの私の心は決壊寸前。
もし、心が決壊してしまい、貴方への想いが溢れてしまったら貴方は責任をとってくれますか?
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