※注:死ネタ・グロ表現多々あり。

狂い狂った華が舞う







いつもいつも思ってた。
貴方のそのビジョンブラッドの瞳と同じ色。
その色に貴方を染め上げる事が出来たらさぞ綺麗だと。
ねぇ?ねぇ?聞いてる?
今の貴方はとても綺麗よ。

「ねぇ?ジェイド」

虚ろな瞳が私に向けられる。

「あ・・・・なた、は・・・狂って・・・る」

枯れた喉が奏でる貴方の旋律。
私は満面の笑みで答えた。

「うん。知ってるよ。でも、それが私なの」

狂ってる狂ってる。
私は大分前からスプーキーなの。
こうやって貴方の血に塗れる自分が嬉しくて仕方がないぐらい。
これは私の愛なの。
貴方の愛とは違っていただけ。
私は私の愛を貫くの。
貴方の傷口を抉る様に指を差し込む。
内臓を抉り出そうとするほどの力強さでグチャっと。

「ぐぁ・・・はぁっ!!」
「ねぇ?痛い?痛い?すっごく綺麗な顔をして痛いの?」

私のその問いに返事を返す余力などもうジェイドにはなかった。
だって、その体に刻まれた数十箇所にも及ぶ傷から止め処なく溢れる血。
海みたいに広がるほど流血しているのだから当たり前。
それでも問いかけてしまう私は本当にスプーキーだわ。

「人に有るまじき行為だと思うでしょ?」

うん、私は人じゃないと思うの。
きっと悪魔か何かの化身なのだわ。
だからこんな愛し方しかできないの。

「ねぇ?ジェイド。もう聞こえないと思うけど愛してるよ」

もう光のない瞳を見つめながら告げる。
それはそれは嬉しそうに。
そして、最後にこう告げた。

「安心してずっとこれからは一緒だよ。貴方を私が全て綺麗に食べつくしてあげるから。
そうすれば貴方は私の血となり肉となりずっと一緒に居られるよ?なんて素敵な事かしら」

ねぇ?幸せでしょ?
永遠に続く愛なのだから。
くるくるくるくる華が舞う。
狂ったようにくるくると。
紅い紅い華が舞う。
永遠に続く螺旋を描いて。
くるくるくるくる。