あなたがいてくれて
「私は最近、思うのだががいてくれてよかったと思う」
きょとんといった感じで腕の中のはカミュを見た。
「いきなりなんで?」
カミュにが問いかけると静かにを抱く腕を強めたカミュの声が響く。
「私は幾度となく、くじけそうになった。しかし、そんな時いつも君が傍にいた」
一度、そこで言葉を区切り、カミュはすべての思いを詰めた言葉を紡ぐ。
「私には君が必要だった。だから私は君に出会った。何かわからない大きな力が、私をそこまで運んでくれた」
カミュはの瞳を見つめて微笑みそういう。
「なら私もきっとそうだよ。カミュが必要だったから。だから私はカミュに出会えた」
「そうかもしれないな。私には君の気持ちも、髪も、腕も、声も、瞳も、ぬくもりも、苦しみも、生命も、時間も、全てのものが必要だった」
そういってカミュはの髪を人房とり口付ける。
「私も全てを欲したと思う」
「私たちは互いに貪欲だな」
カミュがそういうとはクスリと笑ってカミュの胸に愛しそうに顔をうずめる。
「そうだね。でも人間なんてそんなものよ。求めて求めて。そして壊してしまう人もいるけれど。私たちはきっと大丈夫」
「そうだといいな。未来のことはわからないが。君との未来が続くことを願う」
はカミュの瞳を捕らえて、
「きっと叶うわ。私だってのぞんでいるんだもの。そして、互いが幸せであるようにとも望んでしまうわ」
「やはり貪欲かもな」
「そうね」
私たちはお互いにくすりと笑い、甘い口付けを交わした。
自分の幸せを願うように、誰かの幸せを願う。
最近までわからなかった。
それがどういう意味か。
決して叶うかどうかは別の話だ。
でも、それよりも大切なのは幸せを信じる気持ち。
そして、何よりも君を思う気持ちが大切なんだ。
私たちは互いにそう気づいた。
そう気づかせてくれた。
君が(貴方が)いてくれて本当によかったと心から思う。
本当に色々な事があったけど、沢山、君に(貴方に)感謝している。
本当に傍にいてくれてありがとう。
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