私が仕えるのは聖域で最強と謳われる黄金聖闘士の一人。
牡羊座のムウ様です。
私の主はとても物腰も柔らかでお優しい方。
あの方の為なら私は何でもいたしましょう。
例え、相手が黄金聖闘士でも。






戦うメイドさん







。少し教皇宮までついて来て欲しいんです」
「私がですか?私でよければお供させていただきます」
「それはよかった。それじゃあ行きましょうか」

今日も私の主はとても美しく気高い。
ちょっとした些細な仕草を見ただけでも思わず溜息がでそうだ。
女の私よりも美しい方だと思う。
美しさなら魚座のアフロディーテ様も負けてはいませんが・・・
私が一番美しいと思うのは主であるムウ様がやはり一番です。
そんなことを思っている間にも教皇宮が見えて参りました。
が、何やらものすごく騒がしい様子です。

「ムウ様・・・とても嫌な予感がしませんか?」
「そうですね・・・十中八九カノンとサガが喧嘩でもしているのでしょう」
「そうですね」

互いに溜息をつくと意を決して中へと入った。
そこには一触即発なサガ様とカノン様の姿。
そして、楽しげに見つめるシオン様と諦めているミロ様とカミュ様、アイオロス様の姿がありました。

「今日こそは宇宙の藻屑としてやろう・・・・この愚弟が・・・!!」
「ふ・・・変態の兄貴が宇宙の藻屑になるんだろう?あ、宇宙に悪影響か?」
「なんだと!?覚悟はいいか!」
「望むところだ!!」

今にも小宇宙を爆発させん勢いだった為、私はムウ様に問いかけました。

「とりあえず止めますか?」
「そうですね。私も早く仕事を終わらせたいですし、いいですよ。やってしまいなさい」
「了解しました」

私はお二人を見据えると何処からともなく二つのガントリックガン軽々と両手で持つ。
それを見た他の黄金聖闘士様は慌てて私たちの後ろへと避難されました。

「それでは参ります」

ガガガガガガガガガガッ!!ドドドドドドッ!!

「「うわっぁああ!!!」」

砂煙が舞い、辺りが見えなくなった。
一つ言っておきますが聖域にての武器の使用は聖闘士に認められていないだけで一般人である私は認められています。
そんな事を心の中で叫びつつ、お二人が居たところを見て見ました。

「ムウ様。生きてました」
「そうですか。残念です」
「「何が残念だぁああ!!!」」

冷や汗を流しながらお二人は座り込んで居られました。
私は武器を向けるのをやめずにムウ様に問いかけます。

「とりあえずもう一度撃ちますか?」
「いえ、もう流石に懲りたでしょう。次、喧嘩した時には火炎放射器で焼いても構いませんが」
「そうですか・・・わかりました」
「なんなんだ!?その明らかに残念だって表情は!?」
「「(というか流石はムウのメイドだな・・・恐ろしい・・・)」」

カミュとミロは顔を背けながら互いに思った。
その後、ムウ様はシオン様とサガ様とで仕事のお話をしておりました。
しばらくして仕事の話が終わったようでムウ様とシオン様が私の元に来ました。
するとシオン様は私の髪を撫でて言いました。

「久しいのう。と会うのは元気にしておったか?」
「はい。おかげさまで」
「ムウにいじめられてはおらぬかのう?」
「シオン!!」
「そのようなことはありません。私にとって最高の主ですから」
「それはそれは・・・全くそこまで思われているのだからムウ。そなたも少しは素直になったらどうじゃ?」
「シオン!まったく!。戻りますよ」
「はい??」

私はムウ様に手をつかまれ、引きずられつつその場を後にした。

「ムウ様・・・?ムウ様!!」
「!?あ・・・すみません。つい引っ張ってしまって」
「いえ。私は構わないのですが・・・お加減でも悪いのでしょうか?」

私が心配で顔を歪めるとムウ様は目を見開いた後、すぐに私に向かってほほ笑んでくださいました。
そして、静かに髪を撫でる感触が伝わってきました。
私の髪を上から下へ上から下へと。

「身体の調子は大丈夫ですよ。ただ、ちょっと嫉妬しただけなのですよ」
「嫉妬・・・ですか?」
「ええ。まあ・・・その話は今度ゆっくりしてあげましょう」
「はい」
「さあ、帰りましょう。早く帰って貴方の作る菓子とともにお茶でも楽しみたいですからね」
「はいっ!!」

私はやはりこのムウ様の傍にいれて嬉しいです。
最高の我が主のためなら再び黄金聖闘士と対峙しても構いません。
貴方のお役に立てるなら私は幸せです。



○オマケ○

「まったくムウの奴も早く嫁に貰えばいいものを・・・・」
「嫁とはまた気が早いな・・・シオン」
「そうか?だが童虎。あの二人は同じベッドで毎晩寝ているのだぞ?」
「・・・本当なのか?」
「ああ。まあ、は恋愛関係にはとことん疎いからのう・・・」