貴方は痛みを分かち合うことすら許してくれない。
背中を向けてどこかへ向かう君。
私は、ただ見つめるだけではいられなかった。
越える未来の果てへ君と
どんな事があっても私はついていくと誓ったんだ。
君がいくら拒もうとも私は私なりに貴方を理解して貴方の傍に居続ける。
貴方が運命は変えれるものなんだと知るまで。
「アンタ、いい加減うざいんだけど」
「好きなだけ言えばいいわ。私は離れる気なんてさらさらないんだから」
「・・・・勝手にすれば?」
言われなくても勝手にする。
貴方に微塵も理解してもらえなくても。
貴方は生まれた時から人より多くの闇と孤独を背負って生まれてきた。
それは周りの赤の他人が創り出してしまったもの。
だけど、そんなものは生きるうちに消し去っていけばいい。
もしくはその闇と孤独以上のものを見つければいい。
なのに貴方は全てを諦めて日々を生きる。
死ぬ事すら億劫だと言わんばかりに。
「ねぇ、シンク」
「・・・・」
「シンク!」
「あーもー!!何さ!?」
苛立ちを募らせたように怒鳴り散らすシンク。
通りがかりの兵士たちはびくりと肩を震わせるが決して立ち止まらない。
険悪な雰囲気な私たちに巻き込まれるのが嫌なのだろう。
「シンクは生きなきゃいけない」
「・・・アンタに決めれることじゃない」
「誰が決めたとかじゃない。貴方は貴方の意思で生きなきゃいけない」
「言ってる事支離滅裂だけど?」
真剣に離している私をあしらうが私はそれぐらいでめげる根性の持ち主ではない。
「シンクは、逃げてる。全てから」
「うるさい」
「どうして逃げるの?」
「うるさいっ!!!」
腕を振り払おうとしたシンクをぐっと引っ張る。
そして、彼を抱き締めた。
その思いの丈を全てぶつける様に。
「私がずっと傍にいるよ。どんな事があったって一人じゃ壊れそうな魂だけど二人ならきっと大丈夫だから」
「・・・・・・」
「私は何があったって傍に居る。シンクはシンクしかいないんだから。
消えるなんて考えないで・・・何もかも消すなんて考えないで。・・・どうか生きて」
私の消え入りそうな言葉にシンクは動くことすらなく聞き入った。
その仮面のせいで表情は何も伺えない。
だけど、彼が動揺しているのはなんとなくわかった。
今はそれでいい。
君が頑なに閉ざした心を解かなければいけないと思うから。
ねぇ、シンク。
お願い。
生きて。
貴方は一人じゃないんだ。
私はどんなことがあっても傍に居るから。
だから・・・・
そっと、しばらくして小さな声で紡がれた。
「ただ、アンタと生きる道を選ぶ事ができたらどんなに幸せか・・・」
まだ、前に踏み出せないのも知ってる。
私はどんだけ時間を費やしたって構わない。
ねぇ、闇を超えた未来の果てへ共に少しずつ進もう?
(君を光ある世界へきっと私は連れて行くよ。)
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