続いては無人の宮・人馬宮。
ここがこれからの守護する場所となる宮。
新しい居場所に足を踏み入れは何を思うのだろうか。
待ち構えるは主を待つ聖衣のみだった。






GARNET MOON

第十四話 十ニ宮突破!!第九の宮・人馬宮







ミロと別れた後、私たちは次の宮に向けて走っていた。

「次の宮は・・・」

私がそういい掛けるとムウがにっこりと笑いながら言った。

「あなたの宮となる人馬宮ですね」
「もう人馬宮まで来たのか・・・・なんか早いね〜」
「それもこれもお前の頑張りだろう」
「そうかな?」
「当たり前だろうが!」

褒めてくれる皆にえへへと笑いながら御礼を言った。
そして、私たちは人馬宮の前に到着した。

「ここが・・・人馬宮か・・・」
「さあ、。いきましょう。あなたの宮へ」
「うん」

そういって私たちは人馬宮へと踏み込んだ。
しばらくすると射手座の聖衣事アスちゃんが見えてきた。

「アスちゃんだ!さっきぶりだね」

一瞬、聖衣がキラリと嬉しそうに光った。
それに答えるように聖衣を優しく撫でる。
そして、ゆっくりと立ち上がり周りを見渡す。

「という事はこの辺が人馬宮の中心部?」

は三人に問うた。

「そういう事になるな」
「ここが・・・・あれ?ここに何か書いてある・・・?」

は壁に何かが書いてあるのを見つけた。
そこにはこう書かれていた。

―少年よ。 君たちに女神を託す。

はその文字を何度も読み返した。
も話は聞いていたアイオロスがどのようにして一度亡くなったのかを。
だからこそこの文字を書いたアイオロスの意志を感じた。
その文字を指先で触れ、確かめる。
そして、は静かに目を閉じて、思いを巡らせた。
はそして静かに呟いた。

「絶対に貴方の思いを受け継ぐよ。後継者としても。個人としても」
「どうかしたのか??」

私が呟いた言葉はカノンたちには聞こえなかったらしい。
私は笑顔で振り向いていった。

「なんでもないよ。なんか早くアイオロスさんに会いたくなってきた!」
「いきなりだな。お前も」
「デスマスクは一言多いよ!」

そう返しながらももう一度去り際にちらりと壁を見た。

「本当に貴方と早く会って見たいよ・・・」

そう呟いては出口の方を見た。

「さて次の宮に行きますか!」
「そうですね」
「そうだな」
「じゃあ、さっさと行くか・・・」
「あっと、その前に少しいいかな?」

はそういうと少し立ち止まった。

「どうかしたのですか?」

ムウが心配して声を掛ける。

「ここ、何か悲しい声が沢山聞こえるから。なんていうのかな?残留思念ってやつかな?
それをそのままにしていちゃいけないだろうし・・・だからちょっと浄化していこうかなって」
「お前はそんな事までできんのか?」

デスマスクは驚いたように聞いた。
元より有機物、無機物問わず意思を感じ取る事ができる力があるとは聞いていたがそれ以外にも何か出来るのかと驚いた様子である。

「うん。意思疎通が出来るから強く想って歌うの」
「え?」
「だから歌うの。歌って言霊の集まりだから思いを籠めて歌えばそれは呪いとなって効果を表すの。理論的にはたぶんそう」

そうが説明するがイマイチよくわからないといった感じで面々お互いに顔を見合す。

「まあ、見てくれたら判るよ」

そう告げるとは深く深呼吸をして静かに歌を奏でていく。
奏でられていく旋律に三人は清浄な気を感じた。
そして、が歌い終えた時、周りの空気が変わったのを三人はひしひしと肌で感じる。
どこか清く澄んだ神聖なそんな雰囲気が辺りに漂っている。

「(これが浄化というものなのでしょうか?)」
「(こんなの力まで持ってるなんてアイツ一体・・・?)」
「(だが、言えることはは敵ではない。)」
「(そうですね。)」
「(そうだな。)」

三人は結論は変わらないと頷くとに向き直る。

「それにしてもは歌が上手いんですね」

そう唐突にムウが言うとはほんのり顔を染めた。

「そんな事ないよ!」
「いや、俺も上手いと思うぞ?」
「俺もだな。意外に上手かった」

意外にという失礼な言葉にデスマスクの脛を思いっきり蹴り飛ばす。

「イテッ!何すんだよ!」
「デスマスクが悪いんでしょ!意外は失礼!」
「本当に意外だったんだからしょうがねーだろうが!」
「うるさい!蟹!!」
「俺は蟹じゃね!!しかもどっからピコハンなんて出したんだ!?小宇宙溜めて叩くな!」

ビコビコビコビコビコビコビコビコビコビコ!!

軽快なリズムで思いっきり連打する

「イダ!!!イッテー!!!」
「どうでもいいんだがあれはもうピコハンじゃあないと思うんだが・・・」
「むしろビコハンですよね」

そうして私の初めての人馬宮訪問は終った。
前の射手座の聖闘士はとても凄い人とだったんだと思う。
それに、兄様によく似ているとも思った。
誰かの為に命を失くしてでも守るその姿勢が誰よりも兄様に似ていると思った。
人は大切な者の為に強くなれるのですか?
それが人という生き物なのですか?
ならば私も強くなりたい。
もう、カノンに聞いたあんな悲劇を起こさなくていいように。
私の過去に感じた絶望を感じないように。
皆の悲しい顔を見ないように。
私は強くなりたい。