「にょーん♪あはははにゃーーー」

はアフロディーテの上に座りながら上機嫌で笑っていた。
夜もまだまだ長いというのに完璧に酔っております。






GARNET MOON

第二十話 少女暴走MAX!?・後編







「うにょ?」

は前方にシオン達が居るを捉えるといきなり立ち上がった

「アフロディーテー私、シオンたちのところいってくるよぉー」
「そうかい?こけないように気をつけるんだよ?」
「うにゃー」

するとは猛スピードでその場を離れた。
シオンと童虎そして、ムウにアルデバラン、アイオリア、アイオロス、シャカは
いきなり響いてくる音に思わず目を向けると砂煙が異様にたっている。

「なんだ?」

すると猛スピードで向かってきたがムウに抱きついた。

「ムーウー!!」
「うわぁ!!!」

ムウはが抱きついた勢いでそのまま地面へと倒れてしまう。
余程高速で走ってきたのであろう。
背中を強か打ちつけたムウは痛みで顔を歪めつつその人物を見た。

「・・・っ!!!?」
「えへへへーーーーー」

妙に上機嫌なを見て童虎がぼそりと呟く。

「酔っておるのう・・・・」
は未成年じゃあ・・・」
「たぶんデスマスクやミロあたりがのましたのだろう」

アイオリアとアイオロスはそういった。

「それより大丈夫かムウ?」

アルデバランが心配してムウに聞いた。
ムウは起き上がり、自分の膝の上にいるを見た。

「ええ、大丈夫ですが・・・は・・?」
「大ジョブーーーにゃハハハは!!」
「かなり酔いが回っておるぞ?」

流石のシオンも心配になったようだった。
するとはシオンに抱きつき、頬にキスをした。

!?」

それをはじめに周辺いた皆にはキスをし始めた。

「みんな大好きー!」

どうやら笑い上戸の次はキス魔と化したらしい。

は酔うとキス魔になるんだなー」

呑気にアイオロスが言ったが隣のアイオリアはキスされ放心状態。
シャカも何かワケのわからない事を呟いている。
アルデバランは苦笑しているが動揺している模様。
ムウとシオン、童虎はのんびりと構えているが酒を飲ませた人物をどうするか考えているようだった。

「皆どーったの?」

はそういって周りを見回した。
首を傾げてきょとんとする姿は可愛いとしか形容しようがなかった。

「「「「「「「(可愛い!!)」」」」」」」<>

一同は同じく心で叫ぶ。
はそんな事とは露知らず目を擦りながら眠そうにしていた。
すると、そのままシオンの膝の上に座り静かに寝息を立て始めた。
それに気付いたシオンがそっと様子を伺う。

「寝ておるぞ?」

シオンはの顔を見ながら言った。

「疲れていたのもあるのでしょう。朝からいろいろありましたし」
「そうじゃのう・・・。とて新しい聖闘士になったとはいえまだ17歳の少女じゃ」
「そうですね・・・だって17歳でしかも女の子だ。本当だったらもっと辛いとか言ってもいいのにな」

アイオリアは静かにそういった。

「では、わしがを部屋まで送り届けようとしよう」

そう言うとシオンは立ち上がりを部屋まで送り届けた。
そして、翌日の朝。
教皇宮のの部屋から悲鳴が上がった。

「きゃああああああああ!!」

それを聞いたシオンや沙織、そして近くの宮のカミュとアフロディーテは素早くの部屋に向かった。

「どうかしたのか!?!ブッ!!」

シオンが入ろうとした途端、部屋にあったものが見境なく飛んでくる。

「は、入ってこないでくださいぃぃぃぃ!!」

それに警戒した面々が入れなくなっている所に沙織が到着する。

「お姉様?どうされたのです!?」
「沙織、ちゃん?沙織ちゃんならいいよ・・・・」

そういったの言葉を聞いて沙織はシオンたちに外で待っているようにといいの部屋に入った

「で、どうされたんです?」
「私、私昨日酔っ払ってキス魔と化して・・・皆に合わせる顔が!!」

沙織はなるほどと思い納得した。

「お姉様覚えていたのですか?」
「ばっちり・・・私、酔っても記憶が残るタイプみたい・・・」

はそう言って落ち込んでいた。
沙織はふふっと笑いこういった。

「大丈夫ですわ。あれはお姉様が悪かったのではありませんし。元凶のミロなら血まつ・・・・いえ、吊し上げましたし」

今、沙織ちゃん血祭りって・・・・
しかも、吊し上げるって言いなおしても酷い事には変わらないような・・・

「それに頬にキスぐらいでしたら挨拶代わりですわ」
「そ、そうかな・・・でもなんか色々不味い事も言ったような気がするし!!」

すると沙織はの両肩を掴み、

「大丈夫ですわ!それに折角お姉様と今日は色々と買い物など行きたいと思っていましたのに・・・」

そういって沙織は泣く振りした。(完璧な演技に完全には騙された。)
流石のもそこまで言われたら外に出るしかなくなり身支度を済ませると外へと出た。

「えっと・・・お騒がせしました・・・」

そういってはおずおずと出てきた。

「ふふっ、気にする事はないよ」
「うん・・・でも、やっぱりー!!!」
「皆そんなに気にしてはいないさ」

そういってカミュはの肩をポンと叩いた。
実はというとこういう事も想定されていたので昨日宴の後に沙織が対処していたのだ。

お姉様の事ですわ。きっと覚えていたなら今日の事を気にしますでしょう。皆さんはいつもどおり振舞ってあげてくださいね?」
「ハッ・・・」
「もし、お姉様を傷つけたならミロのように干物にしてしまいますわよ?」

ゾクッ!!

冷気と殺気の漂うそのお達しに皆力強く頷くばかりであった。
女神一言で皆を言い聞かせておいたなどとアフロディーテやシオン、カミュは言えなかった。
言ったならもれなく干物の刑が執行されるのだから・・・・