世界が、音を立てて、崩れていく・・・
ただ、ひたすら、想った。
願った・・・
私を愛して下さい、と。






Act.12:I also have nothing.







意識が回復して私が最初に知った事実。
私は、生まれてきてから今までに三人の人を死なせてしまった。
私の本当の父と母。
そして、姉弟として共に生きてきた亡くなりし弟は従弟であった。
全ては手紙に記されていた。
どういった経緯で私が生まれたかも全て。
その結果、判った事は私の生そのものが罪なのだと言う事。
生まれてなど来なければきっとあの人達も幸せであっただろうに。
全てを狂わせたのはこの身なのだ。
何も、もう考えられなくなった。
真っ白になってただ、その文面を見続けた。
けれど、それはあの人による手紙だ。
私は落ち着いていくにつれて本当の第三者から見た真実が知りたくなった。
そう思い立った私は決意をした
全てを知り、受け入れる決意を。
もし、私が生まれた結果。
私の本当の両親が死んだのだとしたら私はこの命を絶とう。
そう、決めて、まだ痛む脇腹を押さえながらも立ち上がり窓へと近付いた。
蒼く光る空が灰色に見える世界がまた広がっている。
けれど、微かに差し込む色に手を伸ばした。
それは、きっと一筋の希望というものだと思った。
そう、信じたかっただけかもしれないけれど。

!!目覚めたって・・・・・・?」

飛び込んできた青髪の少年はさらさらと靡く白いカーテンを見つめて止まった。
真っ白その空間には何もなかったから。
望むべきと名のつく人物はいなかったから。

「何、入り口で突っ立ってんだよ。シン。」
「シンちゃん。どうしたの??」

ぞろぞろと数名が再びその部屋へ入る。

「いない・・・いないよ。ハチ。が・・・いない。」

皆はその言葉に部屋の中へと飛び込んだ。
やはりそこには何もなく。
ただ、真白の空間が広がっているだけ。

ちゃん・・・」
「なんで、いないんだ・・?退院したなんて看護婦は言ってなかった。」
「そもそも歩き回っていい状態じゃない。とりあえず、探すぞ。嫌な予感がする。」

ヤスの一言で皆が動きだす。
それぞれが思い当たる場所へと足を向けた。
ただ、一人シンだけはそこで動けずに居た。

・・・なんで・・・いないの?は・・・行ってしまうの?」

にとって特別な暁人の場所へと。

「僕じゃ・・・代わりにはなれない?」

その問いに返事は返ってくることはなく、真白の空間が静寂を守っていた。