「うんわぁっ!!すっごい美人さんだぁ〜」
「って!?」
「え?ノブさん知り合い?」
「いや、バイト先で助けてもらってさ。」
「はじめましてとお久しぶりだね。」

ノブとやたら幼く綺麗な男の子が私を見てそういった。






Act3:The party tonight.







「やっぱりノブの奴驚いてやがる。」

ナナは笑いながら煙草を銜えている。
悪戯に成功した子供のような表情だ。
一方、ハチはというと台所で料理の準備中だ。

「でも、どうしてナナ達と知り合いに?」
「実は隣に住んでるのよ。私。」

この一言でノブは本当に信じられないと言った表情を浮かべた。
その表情に思わず私はクスリと笑いを漏らした。
その表情が余りにも犬のようで・・・
むしろ仕草というのだろうか?

「ええ!?そんな偶然ってあるのかよ!?」
「それがあるんだろうが。だからこうしていんだろう?」
「そうだけどさ〜」

そんな止め処ない会話が飛び交う。
そんな中、もう一人の男の子はふと私に近づいてきた。

「ねぇねぇ!!は何歳なの?」

この子も少し犬っぽいなぁ。
そんな事を思いながら相手に失礼だろうと自分にツッコミを入れる。

「何歳だと思う?」
「んー・・・十九?」
「シン。は十七だよ。」

ノブがシンの肩をポンと叩きながらそういった。

「ええっ!?嘘!?なんかノブさんを見てるからすっごく大人っぽく見えたよ!?」
「お前・・・さり気に失礼な奴だな!!」

ノブはそういうとシンの頬を左右に引っ張った。

「痛いっ!!うわぁーん。ー。ノブさんがいじめるよー」

そう言って勢い良く抱きついてきたシン。
普通ならば動揺しただろうが、私は抱きついてきたシンに戸惑う事などない。
海外に住んでいたのでこういうスキンシップには慣れっこだ。

「あ!どさくさに紛れて抱きつくんじゃねぇ!!」

だけどここは日本。
ノブは少し顔を赤らめながらシンを剥がそうとした。

「いいよねー。」

上目遣いでこんな可愛い子に見つめられては断ることもできない。
私は苦笑しながらも言葉を返す。

「私はぜんぜん構わないけど。」
「構えよ!」

ノブって以外にツッコミ役なのだろうか?
呑気に私はそう思った。

「なんだぁ〜ノブ。お前、惚れてんの?に。」

ナナが冷やかしにそう言うと真っ赤になってノブは手を振った。

「違うって!!」
「本当にぃ〜?」

シンもそれに便乗してからかう。
ノブはどうやらいじられるポジッションなんだなぁと飲み物を口に運んだ。

「お前等なっ!!」

そんな事をしているとピーンポーンという軽快な音が部屋に響いた。
続いての来訪者らしい。

「あ、私が出るよ。ハイ?」

そういってガチャリとドアを開くとそこにはスキンヘッドの男とロングヘアーの男が居た。

「あれ?君は・・・」

スキンヘッドの男が訝しげに私を見つめた。

「あ、ヤッさん。それにタクミ。」

その声を合図に私は自己紹介をした。

「えっと初めまして。ここの隣に引っ越してきたっていいます。」

するとすぐさまナナが笑いながら近づいて私の肩に手を回した。

「その子と意気投合しちゃってさ。今日、呼んだんだよ。」
「そうだったのか。初めまして。高木泰士・・といっても
そいつら皆ヤスとしか呼ばないからな。ヤスで構わないよ。ちゃん。」

見た目とは裏腹に意外にもジェントルマンな人だ。
人を見た目で判断するのはよくないなと自分を戒めつつ返事を返す。

「よろしく。ヤス。それと・・・」

その後、問うよな視線をタクミと呼ばれた男に向けた。
その様子にナナ達が私に問うた。

「もしかして・・・タクミの事知らないの?」
「うん。」

素直に答えればその場に居た人々が皆驚いた表情を浮かべた。

「ええ!?嘘っ!?」

何が嘘なのかはわからなかった。
だって知らないものは知らない。

「これはまいったな。一応こう見えても有名バンドの一員なんだけど。
まあ、でも知らねーもんは仕方ないよな。俺は一ノ瀬巧だ。タクミで構わないよ。」
「えっと・・・その知らなくてごめんね。タクミ。」

まさか芸能人とは悪い事をしたかもしれない。

「いいって。」

私が申し訳なさそうにしているとタクミが笑顔を向けてそういった。
プライドの高そうな人だと思ったが人当たりはよく心優しいといった感じだろうか。
ちょっと女癖悪そうだけど。
そう思いながらさっき見た目で判断しちゃいけないと思った所ではないかと思い、心の中で反省した。
それからしばらく私は色々と聞かれた。
でも、やっぱり十七だというと二人とも驚いて固まっていたけれど。

「でもさ。ってなんか疎い感じだねっ。」
「それはたぶんこっちに帰ってきたのが最近だからかと・・・」
「ええ!?って外国に住んでたの!?」

ハチもすごい表情で驚いている。

「うん。私、イギリスで暮らしてたから。」
「そうだったのか。ってことは帰国子女?」
「そういう事になるね。」

そんな風な話をしていると再びチャイムの音が鳴った。
まだまだ続くのか来訪者はと思いながら次はどんな人物が来るのだろうかと心を躍らせる。

「アタシが行くよ。」

そういってナナが扉に向かった。
扉を開けたそこに居たのは長身の男だった。

「レン。いらっしゃい。」
「遅いぞ!レン。」

そんな声が聞こえる中、私を見つけたレンという男はナナに尋ねていた。

「ああ。って言うんだ。私たちの隣に引っ越してきてさ。意気投合して。」
「そうか。俺は本城蓮。よろしく。」
「はじめまして。です。よろしく。」

話を交わすとどうやらタクミと同じバンドの人らしい。
私はまた知らないという事に驚かれ、申し訳ないと謝るのだった。
だが、彼はタクミ以上に気さくで親しみやすい感じだった。

「さてと皆揃ったことだし、そろそろ始めるか!」

そうして、長い夜が始まった。
これが、運命の幕が上がった瞬間だった。